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【出産レポ】救急搬送後「癒着胎盤」の処置と経過について

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今回の出産は予想外の出来事が色々とありました。

前回のブログでは、緊急搬送されたところまでを書きましたが、今回は搬送後に受けた手術や治療の内容を書きたいと思います。とても稀な症状ですが、私の体験が少しでも参考になれば幸いです。

前回までのレポはこちら↓ 


 

今回の出血の原因と状況

救急搬送された病院について初めて、詳しい状況が分かりました。今回の出血の原因は、癒着胎盤が子宮の中に残ってしまい、剥がれかかった胎盤から大出血が起こってしまったからでした。

 

このまま出血の処置をしなければ、命を失う可能性があるとのことで、まず出血を止める手術をし、その後胎盤を取る手術を行うことになりました。

 

私にも口頭で状況や手術の案内がありましたが、意識が朦朧としており、後から駆け付けた家族が詳しい案内を受けていました。

 

癒着胎盤とは

癒着胎盤(ゆちゃくたいばん)とは、胎盤が子宮に強く癒着して剥がれない状態を言います。

 

胎盤の組織の一部(絨毛)が子宮筋層に侵入し、子宮壁と胎盤が癒着しており、胎盤を剥がそうとする際に大出血が起こります。止血も難しいため母体の命に関わる状態であれば、輸血や子宮摘出が必要になります。

 

原因としては下記のものが挙げられます。

  • 帝王切開をしたことがある
  • 子宮筋腫の摘出を含む子宮の手術を受けたことがある
  • 流産手術をしたことがある
  • 前置胎盤(胎盤が子宮頸部を覆っている)
  • 複数回妊娠したことがる
  • 母体年齢が35歳以上の高齢出産
  • 妊娠高血圧症
  • 体外受精・胚移植で妊娠した

 

癒着胎盤の発生は約0.01%(出産1万件に1件)の確率で、稀な疾患となっているそうです。

 

出産前に事前に診断をすることが難しく、分娩後に胎盤が剥がれない場合に判明することがほとんどです。

私も妊婦検診などでは事前に分からず、分娩後になって初めて分かりました。

 

 

1回目の手術(子宮動脈塞栓術)

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子宮動脈塞栓術とは

私が受けたのは、子宮動脈塞栓術です。

大腿動脈にカテーテルを入れ、カテーテルから造影剤を入れて、動脈の撮影をし出血している動脈を特定します。そこに血管を閉塞させる物質を入れて塞栓させ、出血を止めるという手術です。

 

まず大量出血を避けるための一段階目の手術でした。

 

手術まで

救急救命に搬送時点ですでに多くの医師や看護師がスタンバイしてくれていました。私は手術服に着替えさせられ、点滴や輸血に必要な処置を受けました。

子宮動脈塞栓術には放射線科の先生でないと出来ないため、先生の到着を待つ必要がありました。

 

その間にも私からは大量の血が出続けていました。搬送前に3309ml、救急車で1000ml、搬送先で処置を受けるまでに1000ml程出血していました。

 

手術に行く前に、夫と両親が駆け付けてくれましたが、大量出血は私の体力をどんどん奪っていき、その時には目をあけているのも難しい状態に。

 

「頑張って!」

 

夫と両親の言葉はちゃんと耳には届いていました。

 

後から聞いた話では、その時は何度測っても血圧が測定出来なっていたとのこと。

顔も青白く急いで手術室に連れて行かれたため、「もう助からないのではないか」と思ったそうです。

 

 

手術中の様子

手術前に再度輸血が始まり、目を開けたり少し体を動かせるようにはなりました。

 

手術中は痛みと寒さとの戦いでした。

 

カテーテルを入れる大腿動脈部分には麻酔がされましたが、痛みの中心となっている子宮部分は麻酔をせずにそのまま手術が始まりました。

 

出血が長引くにつれ痛みがひどくなり、手術中も容赦なくお腹の痛みが襲ってきました。もう一度陣痛の痛みがやってくる感じでした。

 

「痛い!痛い!」

 

子宮動脈塞栓術は、造影剤を入れてX線撮影をするため、動いてはいけません。痛みが強く動いてしまうため、押さえられて手術が続きました。

 

手術中にも1000ml以上出血し、その後強烈な寒気に襲われました。

 

「痛い。寒い。何かかけるものを下さい」

 

肩に毛布を上からかけてもらい、ひたすら耐えます。

 

この手術は部分麻酔だったので、痛みと寒さが辛くとてもとても長い時間に感じました。

 

血を止めるために血管に入れる塞栓物質を、通常の4倍ほど、病院のストックを全部使い切ったところでようやく血が止まりました。

 

搬送されたのが17時頃で、止血処理をし終わったのが21時頃でした。

 

 

ICUでの治療

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止血処理が終わった後はICUに運ばれました。その日の夜は輸血、抗生物質、痛み止めなど色々な点滴をし続けました。

 

医師「数年に一度あるかないかの大出血でした。血が全部入れ替った感じですが、手術がうまくいってよかったです。」

 

翌日、手術に関わってくれたお医者さん達が、翌日様子を見に来てくれ、色々と言葉をかけて下さいました。

 

起き上がると大出血するかもしれないため、寝たきりの状態で絶対安静。

次の手術に向け止血状態の確認と、貧血状態を改善するための輸血と点滴をし続けました。

 

ICUの看護師さん達には身の回りのお世話をしてもらったり、励ましてもらったりとても勇気づけられました。本当に感謝感謝です。


子宮動脈塞栓術の止血効果は約2日。止血効果のある間に次の手術で癒着した胎盤を取る必要がありました。

 

手術の説明にお医者さんが来られました。

 

医師「止血が出来ている状態なので、明日子宮に残っている胎盤を取る手術をします。

まずは、子宮に直接手を入れて癒着している胎盤を手で剥がしていく胎盤用手剥離術を行います。」

 

私「それで取れなければどうなりますか?」

 

医師「それで取れなければ、子宮を全摘出する手術に切り替えます。」

 

私「移植するかは分かりませんが、まだ凍結胚も残っているので、私自身は子宮を残して欲しいです。」

 

医師「希望はわかりました。今の段階で子宮を取るか残せるかは断言出来ません。胎盤の癒着次第です。子宮を取らないと命に関わる事態になった時は容赦なく摘出します。人命救助が最優先ですので。」

 

私「わかりました。宜しくお願いします。」

 

説明を受けてからは、気持ちの整理がつきませんでした。

女性にとって子宮が無くなるのは辛いこと。

「昨日出産したばかりなのに、何でこんなことになったんだろう。子宮取ったらもう子供も出来ないし、ホルモンバランスとかどうなるの?でも死んでしまったらどうしようない。」

 

出来事の展開について行けませんでした。

 

2回目の手術(子宮内容除去手術)

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2回目の手術は、癒着胎盤の子宮内容除去術です。

 

先生の説明の通り、子宮に直接手を入れて癒着している胎盤を手で剥がしていく胎盤用手剥離術をまず行います。

それでも胎盤が取れない場合は、腹式子宮全摘出に進むとのことでした。2回目の手術は全身麻酔で行うこととなりました。

 

10時30分、手術室へ呼び出しがあり、11時00分から手術開始となりました。

 

手術に向かう時には、「もうなるようにしかならない。先生に全てを委ねよう」と決心していました。

 

医師「今から眠くなる麻酔を入れていきます。少し手がビリビリするかもしれませんが、麻酔のせいですので。徐々に眠くなって行きます」

 

あっという間に深い眠りの落ちていきました。

 

 

医師「◯◯さん、終わりました。わかりますか?胎盤とへその緒ですが、無事に取れて子宮も残せましたよ。」

 

産婦人科医の中では子宮摘出の可能性が高そうだと予想されていましたが、一番望んでいた子宮温存で胎盤摘出という結果に終わりました。

 

医師「全身麻酔が良かったです。子宮も全身麻酔する事で、ちょっと緩んだため、手術が進めやすかったです。なかなか取れなかったのですが、最後は手でかきとりました。全身麻酔でないと痛みも凄かったはずです。

胎盤は結構子宮の上部にくつっいた状態でしたが塊でとることができました。最善の状態で終われて本当によかったです。」

 

本当に良かった。心からそう思いました。

 

今後の出産するとしたら、同じような事が起こる可能性が高いとのこと。今後本当に子供を生みたいのなら、リスクに対して対応できる病院で最終子宮摘出のことも考えた出産計画をした方がいいとのアドバイスをお医者さんからいただきました。

 

一般病棟に移動

胎盤用手剥離術は、術後の負担が自然分娩の時とほぼ同じということで、回復が早いというところがメリットです。

2回目の手術の翌日には、出血もかなり落ち着いてきたのでICUから一般病棟に移る事が出来ました。

体のむくみや気怠さはありましたが、寝たきり生活から自分で歩いたり座ったりすることもできるようになりました。

 

普通に歩いたり食事をしたり、当たり前のことが出来る幸せをこの時以上に感じたことはありませんでした。

 

出産した病院に転院・息子に再開

一般病棟に移った翌日には退院許可が出て、やっと出産した病院に戻れることになりました。 

分娩した直後にしか見ていない息子。一人新生児室で待ってくれていました。息子に再び会えて、抱っこすることが出来て本当に良かったです。

 

長男、次男を一生懸命育てていこうと固く決心しました。

 

最後に

今回は約6000mlほどの出血をする中で、多くの方に命を救われた出産でした。

私を運んでくださった救急隊の方、出産した病院と転院した病院での医療関係者の皆さん、献血をして下さった多くの方、そして家族。

色々な方に命をつないで頂き、本当に感謝しかありません。

 

また今回の経験を通じて、死は人間生活において常に隣り合わせなんだなということを感じました。人間本当にいつ死んでもおかしくありません。

だからこそ、今を楽しみ、やりたいことを精一杯やろうと強く感じた出産でした。

 

長い記事になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。